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【連結子法人の実務】個別帰属額の届出書の提出は不要になる

松田篤史
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松田篤史
東京都国分寺市で開業している税理士。小さな会社と個人事業に特化した会計事務所を経営しています。 毎日の通勤電車が苦痛だったため都下で開業しました。マラソンが趣味なのでよく小金井公園を走っていますw
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平成30年税制改正大綱では、納税環境の整備(≒電子申告などを利用した効率化)に関して色々と記述されているのですが、その中のひとつに「連結子法人は個別帰属額の届出書を提出しなくてよくなる(ただし親法人が電子申告で提出してね)」という項目があります。

とってもマニアックなネタですが、最近までこの実務に携わっていた者として、現場からの声をお届けします。

現場レポート

現状は?

連結納税を行っているグループの場合、連結子法人側では申告調整項目や税額控除に必要な情報を各々で集計して仮の課税所得などを求め、それらの情報を連結親法人へ提供します(エクセルでもできなくはないのですが、通常は専用のソフトを使います)。
連結親法人ではこれらの情報をもとに連結グループ全体で計算する項目について調整を加え、その結果を連結子法人へ連絡します。
そして、申告期限までに連結親法人も連結子法人もそれぞれの所轄税務署へ必要な書類を提出します。
また、納税は連結親法人が連結グループの税額をまとめて支払った後、連結子法人各社へ請求(あるいは支払)を行って清算します。

参考(国税庁 平成29年版 連結確定申告書・地方法人税確定申告書・個別帰属額等の届出書等の記載の手引)

連結親法人
http://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/renketsuhoujintebiki2017/pdf/01.pdf

連結子法人
http://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/renketsuhoujintebiki2017/pdf/02.pdf

実は、このとき連結子法人が税務署へ提出している書類は「申告書」ではなく、「個別帰属額の届出書」というものです。

参考(個別帰属額の届出書)
http://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/shinkoku/itiran2016/pdf/kobetsu_01.pdf

形式はいわゆる連結確定申告書(別表1の2(1))や単体申告で使う別表1(1)に似ていますが、これは申告書ではありません。
考えてみたら当然のことで、連結納税において申告書とは連結グループ全体の申告書のことを指すわけです。
なので、個別帰属額の届出書はグループ各社ごとの所得や税額を記載した申告書の中身を示す明細のような位置づけです。
また、個別帰属額の届出書には計算の基礎を記載した別表なども添付して提出します。

改正内容

平成30年税制改正大綱では次のように述べられています。

連結親法人が連結子法人の個別帰属額等を電子情報処理組織を使用する方法又は当該個別帰属額等を記録した光ディスク等を提出する方法により当該連結親法人の納税地の所轄税務署長に提供した場合には、連結子法人が当該個別帰属額等を記載した書類を当該連結子法人の本店等の所轄税務署長に提出したものとみなす。

(注)上記の改正は、平成32年4月1日以後に終了する連結事業年度について適用する。

連結親法人が電子申告で連結子法人の個別帰属額の届出書などを提出してくれたのであれば、連結子法人が同じ書類をあらためて提出しなくてよい、という改正です。

「個別帰属額等」のがどこまでを指しているのか明らかではないですが、これは個別帰属額の届出書とその計算の基礎を記載した別表4の2付表などと添付書類(貸借対照表や損益計算書など)を指していると思われます。
そうであるならば、連結子法人は各社で用意した税額計算と申告に必要な情報を連結親法人に提出したあとは、親法人側で必要な作業を行い、申告までやってくれる・・・といった実務になるのでしょう。

でも地方税が・・・

実は、現状でも連結親法人が申告する際には連結子法人の個別帰属額の届出書や貸借対照表などの決算書もあわせて提出しています。つまり、連結親法人が提出したものと同じものを連結子法人がまた提出する・・・という実務です。親法人と子法人で所轄税務署が同じだと、まったく同一の書類が同じ税務署に何部も提出されることになります。紙の枚数も増えるし、人間の労力も増えるしで、不思議なルールであったのですが、これが解消されそうです。

では連結子法人側の工数は一気に減るかというと、そういうわけにもいきません。

理由は、連結納税は国税である法人税と地方法人税(「地方」と名前がついていますが、国に納める税金です)だけの話だからです。
会社の利益に対して課税される地方税(法人事業税、法人住民税)には連結納税の仕組みはありませんから、これまでどおり各社で事務所等が所在する地方自治体すべてに申告をする・・・ということにかわりはありません。

連結納税をやっていて面倒な点として、連結グループ内のどこかの会社でミスがあり、修正申告が必要となった場合、ミスの内容(≒連結グループ全体で計算する項目に影響がある場合)によっては正しく処理をしていた他の連結子法人まで修正申告書を提出する必要がでてくるというケースがあります。

例えば全国に営業所があるような連結子法人の場合、自分がミスをしたわけでもないのに、下手をしたら100箇所以上の自治体に修正申告書を再提出するはめになります。
今回の改正が施行されたとしても、この手間は変わらなそうです。
手間を軽減する方法としては、連結子法人が地方税を各自で電子申告する体制にするしかないでしょう。

編集後記

今日(2017年12月28日)で仕事納めという会社も多いでしょう。
勤めていたときは、朝から職場全体がなんとなくそわそわして落ち着かない雰囲気で、午後になると定年退職される方が挨拶で回ってこられたりして、「ああ年末」という感じでした。

ひとり税理士の今は、いつもとかわらない一日です。
むしろ、来年に向けて取り組みたいことがいろいろあるので、明日からもそれを形にするために行動していこう!と思っています。

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